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フェルト作家Yurinokoのイラスト

前回の続きです。長いです!

星野さんはテレビの取材の同行中に、熊に襲われて亡くなられました。
当時このニュースを知ったとき、写真を撮っていて
熊に近づきすぎちゃったのかなと思いましたが真相は違っていました。

寝泊まりしているテントに熊が近づく日が続いていて、
スタッフが避難するように伝えても
星野さんはそのままテントで野営されたそうです。
生前、クマが人を食べてしまうニュースを聞くと
ほっとすると語られていました。
この文明社会においてまだそのような出来事がおこることに。
自然とくらすことはいつも危険がその背にあることに。
熊に対して自然本来の関係をつらぬいただけで、
熊に襲われることも受け入れれていたのだと思います。

星野さんは、先住民族の神話にも興味をもち、
アラスカに古くから住む海洋インディアンのクリンギット族の
ボブという男性と親交を深めていました。
クリンギット族はトーテムポールを建て祖先をまつる一族です。
家系ごとに、ワタリガラス・シャチ・白頭鷲など、
動物を守護神として家系名(クラン)を持っています。

ボブの紹介でクリンギット族の長老をたずねたとき、
「一目でミチオが重要な使命を持った熊の一族の一員であり、
神話上とても重要な一族である」と悟った長老は儀式を行い
“カーツ”という名をさずけたそうです。
カーツとは熊の一族の神話にでてくる、
熊と人間の女性との間にうまれた長男の名です。
このことを星野さんは、文章にもせず家族や友人にも言いませんでした。

そしてその翌年に熊に襲われます。
友人のボブは「熊に食べられることで、魂がひとつになった。」と語っています。
自分で選んで身を差し出したと。

この内容を本で知って、しばしぼうせんとしました。
凄すぎる世界観!
違う視点からみたら狂人のようです。
子供のころから無性に
アラスカや先住民族、彼らの神話、熊などの動物に惹かれ
衝動のままにアラスカに渡った星野さん。
とりわけ熊という存在は特別なようで、
もともとの自然観と神話の洗礼をうけて、
熊に対して狂おしいまでに実直なだけだったようです。

最近、原住民の本を読んでいるのですが、
星野さんの人間と動物や自然を対等と考え、
生も死もふくめて境界線を引かない態度は
古来の人たちと同じ考えでもありました。

ちなみに、アラスカやアメリカの先住民(インディアン)は、
昔陸続きだったころに、アジアから渡ってきたとされています。
日本人も、北米に渡っているのでは?という意見もあります。

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